ADHDの不注意の原因と、薬 (コンサータ) について
皆さんこんにちは、サモエド博士です。
企業で研究者として働いている中で、何かおかしいと自覚して専門家に診察してもらったところ、発達障害 (ADHD) と診断されました。
ADHDは、脳の色々な働きを制御する前頭葉の働きが生まれつき人よりも弱いため、注意欠如や多動性が原因で、仕事を含む日常生活を送るのに不便を伴ってしまう障害です。
症状は人によって様々ですが、私が特に困っているのが、日中の眠気とそれに伴う不注意です。
現在は、日中の眠気を抑え、集中力を向上させるために、コンサータという薬を服用しています。
今回は、ADHDの不注意の原因と、これを改善するコンサータについてまとめました。
ADHDの不注意の原因
脳内では "活力の源となるドパミン"と、産生されたドパミンの取り込みを抑制するノルアドレナリン"が産生・放出されます。
このドパミンとノルアドレナリンがバランスよく作用することで、日中は集中して勉強や仕事に取りくみ、夜になると眠気を感じて眠ることができます。
一方で、ADHDの人はノルアドレナリンの前頭葉の働きが強いことが原因で、ドパミンの取り込みが上手く行うことができません。
そのため、ドパミンを上手く取り込めないことで前頭葉の機能が落ちて、集中力の低下や日中の異常な眠気、不注意によるケアレスミスが頻発などの症状が出ます。
ADHD用の薬 "コンサータ" について
コンサータとは、メチルフェニデート塩酸塩を主成分とした薬の商品名です。
この薬は、ノルアドレナリンの作用を抑制する作用があります。
なので、コンサータを飲むとノルアドレナリンの働きが抑えられ、ドパミンの取り込みが上手くいき、前頭葉の働きが良くなって、眠気が取れて集中して仕事に取り組めます。
コンサータは特別な工夫がされていることで、一気に取り込まれずにゆっくりと溶け出していきます。
基本的には、服用してから約1時間で効果を実感でき、服用後約12時間は効果が持続します。
ただし、効果が夜まで続いて不眠状態になる恐れがあるので、午後からの服用は禁止されています。
コンサータの取り扱いについて (2020年11月現在)
コンサータは眠気や不注意がひどいADHD患者には特効薬として扱われますが、『覚せい剤』と似た効果があるため、正しく服用しないと快楽性や依存性を伴います。
流通も厳密に管理されており、コンサータは特別な免許を有した医師でしか処方できません。
もし、お世話になっている先生が、コンサータを処方できなかったとしても、免許を持っている先生に紹介状を書いてもらえば、再診断の上で処方してもらえるはずです。
また、コンサータを服用するためには、名前と住所と登録し個人IDを取得する必要があります。
そして、このIDカードがないと病院と薬局でコンサータは処方してもらえません。
これらの手続きは、コンサータを処方される前に医師の前で住所などを記入するたけなので、難しい手続きではないです。
コンサータを服用した簡単な感想
最初の2週間は、最低用量の18 mgを服用しました。
当時の感想ですが、圧倒的な効果を実感できるぐらい、業務中も集中力が増して、デスクワークや長時間の打ち合わせを行うのが楽になりました。
一方で、帰宅後に薬の効果が切れると、眠気と疲労感がを一気に感じて、布団の上から動けなくなります。
そこから何とか這い上がって風呂に入り、そのまま寝ることしかできませんでした。
個人差もありますが、初めてコンサータを飲んだら覚醒時間が長くて不眠になる方もいらっしゃるそうです。
私の場合は、服用してから12時間を経過すると、疲労感と睡魔に襲われる状態でした。眠れないときのために、睡眠導入剤も処方されていましたが、まったく使用しませんでした。
その後、医師とも相談すると、私はADHDの中でも眠気が強いタイプである可能性が高いとのことでした。次のステップとして。服用量を調節して、活動時間を延ばすことが目標になりました。
❊ 服用した効果の詳細を書くと長くなるので、後日にまとめようと思います。
まとめ
今回の内容をまとめると以下の通りです。
① ADHDの人はノルアドレナリンの作用が強いため前頭葉の働きが悪くなり、眠気や不注意などが多くなる。
② コンサータはノルアドレナリンの作用を抑えることで、ADHDの眠気や注意直散漫を改善する効果がある。
③ コンサータの取り扱いは制限・管理されており、処方する医師・薬剤師も服用する患者も正しく扱う必要がある。
④ 個人の感想としては、コンサータを飲むと集中力が増すが、これだけですべてが解決できるわけではない。
もしご自身がADHDに関連する諸症状に悩んでいるのであれば、まずは専門医からの診察をお勧めします。
ただし、ADHDの診断には数カ月、そしてその治療は年単位の時間をかけてゆっくり行います。
長期戦で大変な部分もありますが、今よりも楽に暮らせるかもしれません。
発達障害 (注意欠如・多動症/ ADHD) と診断されました
入社して半年、ミス連発で仕事が上手くいかない。
最初の投稿から、しばらくブログから離れておりました。(まだ誰も注目していないから良いけど...笑)
私は新卒として入社した『博士号を取得した研究の専門家』です。新入社員であるものの、企業からはそれ相応の実力や成果が求められます。
ですが、実際に仕事をしてみると、専門である"研究"に関する業務で上手くいかないことが多い。
- 研究打ち合わせの内容が理解できず、意見を出せない
- 意見を出しても話がまとまっておらず、理解されない
- 研究レポートをつくっても誤字脱字が圧倒的に多い
- 複数の業務を同時並行して行えない...etc
自分では一生懸命に取り組んでいるけど結果が伴わず、上司や先輩に迷惑ばかりかけていました。
どうにかしたいとクリニックを受診してみた。
専門である研究に関する業務が上手くいかず、気持ちが落ち込む日々が続きました。ミスをするたびに自己嫌悪で寝れなくなるくらい自分を責め続け、一時は "統合失調症" に近い状態まで進行しました。
それでも上司や先輩の助力により仕事量を大幅に減らしてもらい、心に余裕を取り戻して、なんとか通常の精神状態に戻りました。しかし、仕事量が減って心は楽になっても、根本的な問題解決になっておらず仕事でもミスの連発。
これでは前回の二の舞だと考え、病院で調べてもらったところ発達障害 (ADHD) だと診断を受けました。
ADHDとは?
ADHD (Attention-deficit hyperactivity disorder) は日本語で"注意欠如・多動性障害"といいます。医学研究においてもわかっていないことが多いそうですが、『脳の様々な働きを制御する前頭葉の働きが他の人よりも弱い』ことが主な原因だと考えられています。
代表的な症状としては、
- 勉強やデスクワークを長時間集中して取り組めない。
- 会議中に落ち着かず、手遊びや貧乏ゆすりをしている。
- 時間管理や優先順位付けが苦手で複数の業務を行うことができない。
- 自分の興味のある特定の分野には過剰な集中力を発揮する...etc
などが挙げられ、日常生活や社会社会生活を行うが人より困難になります。
そして、上手くいかないことが続くと自己嫌悪に陥り、二次障害として精神疾患 (統合失調症や躁鬱) の発症率が高くなるのも特徴です。
企業ポスドクの奮闘記
最初に: はじめまして、ブログ主のサモエドです。
私は2020年3月に地方大学で博士号を取得し、
同年の4月から企業で研究員として働いています。
大学教員を目指すために博士号を取得したのですが、
大学教員になることはとても難しく、自分に適正があるかもわかりません。
私も在学中に将来の進路選択はとても悩んでおりました。
そんな中、縁あって現在の会社で短期間だけ雇っていただけることとなりました。
最初に:このブログについて
このブログは、私が研究者を目指す上でのあれやこれを記録するものです。
(3日坊主になるかもしれませんが...)
将来的には大学教員か企業研究員を選択しなければいけません。
ただ、その前に十分な実力が身についていないと、研究者として活躍できません。
実力をつけるために取り組んだことをここに記録しておいて、
モチベーションを上げる目的もあります。
基本的には自由に書いていこうと思っていますので、
興味がある方はぜひ閲覧ください。